|
Voice Changer (ヘリウム音声修復装置) ヘリウム酸素を吸って会話すると、ドナルドダックのような音声になります。 これはヘリウム・ガス中では音速が通常より高くなるからです。 人は口、鼻、舌、顎などの形を変化させることによっていろいろな音声を発生することができます。 これらの音声器官で構成される声道モデルを変化させると共振周波数が変化するため、いろいろな音声を発生することができるのです。 日本語に多く含まれる母音の場合、声帯から発生されるパルス波を入力として、共振系の声道システムにより周波数特性が変化し独特の音声が形成されます。 また子音の場合は、同様の声道システムにランダム雑音を入力することにより異なった音声を形成しています。 ヘリウム酸素ガス環境下のように音速が異なる環境では共振周波数も異なってきます。 声道システムの共振周波数が高くなるため音声も高い周波数が強調され、本来の音声が周波数的に高くシフトされたように聞こえます。 深海でダイバーが高圧のヘリウム酸素ガスを使用するとさらに聞きとりにくい音声になります。 音声の発生メカニズムを理解すれば、このヘリウム・ボイスを修復することができます。 声道物理モデルのスペクトル(エンベロープ)のピークをホルマントと呼びますが、このホルマント周波数の位置がヘリウム酸素によって高くシフトされます。 しかし音声信号の母音の中にある声帯振動成分は変わりません。 ヘリウム音声信号を線形予測分析によってホルマントを検出し、そのホルマントだけを低域に移動することにより、通常の音声に修復することができます。 下記にヘリウム・ボイスを修復するボイス・チェンジャーの原理を示します。
処理結果サンプル
|
最終更新日 : 2015年07月15日
|